私の理想とするゴシックハウスはこんな感じ(超妄想編) | Gothic Base
【天井近くまでの縦長窓から注ぐ朝日で目が覚める】
レースのかかった天蓋付ベッドで目覚める私。
遠くで朝食のためのお抱えオーケストラ団の生演奏が聴こえる。
私が朝食のためのテープルにつくずっと前から、演奏は始まっている。
私は物憂げに、純金の目覚まし時計を手に取る。
寝ぼけているので、ゴトリと誤って床に落とす。
「お目覚めですか」
お付きのメイドが音に驚いて、縦長のドアからおずおずと顔を覗かせる。
「ありがとう、今呼び鈴を鳴らそうと思っていたの」
高級シルク150%のガウンを羽織り、私はクラシックの鳴るほうへ向かう。
朝日が目に差し込み、私は「日除け布が欲しい」と思った。
我が家の窓はどれもこれも縦に長い。カーテンを取り付ける仕様ではない。
「仕方ないわね」
朝日には弱い。夜型生活の私にとって朝日は刺激が強すぎる。
私が着席すると、ファンファーレが鳴り響いた。
寝起きの悪い私は、ファンファーレの音も苦手だけど
この屋敷の長年の伝統なのだから致し方ない。
「おはようございます。よくお眠りになられたでしょうか」
執事が傍に立ち、一礼した。
「ええ、爺や。寝ぼけて金時計を落としてしまったけれど」
「あれは高精度の純金でございます、びくともいたしませんよ」
「ええ・・・そうだったわね」
まるで目覚めない頭。脳内に靄でもかかったようだ。
(そういえば、あの純金時計は、おばあさまの形見・・・)
おじいさまから生誕祭で贈られたという、時価3億ほどの品。
文字盤は珍種の貝、そして純度の高いダイヤモンドが周囲をぐるりと囲む。
(おばあさまったら、愛されてたのね・・・)
一瞬頬を緩ませてから、私は少し遅めの朝食を取ることにした。
【洋館の主の私の朝食(妄想率1200%)】
ファンファーレが鳴りやみ、真摯な祈りを捧げた後、
クラシックの生演奏が始まる。
「ところで・・・今日のメニューは何かしら?」
「本日は、豚足でございます」
「朝から豚足・・・ゴシックでいいわね」
「大〇漢方胃腸薬をご用意しましょうか」
「・・・っ!私はまだそんな年じゃないわ!」カシャーン。
私は執事を振り返り様に、ガウンの膨らんだ袖を引っ掛け、
豚足用ナイフを床に落とす。メイドが動揺する。
「・・・失礼いたしました、ご無礼を」
「・・・私も取り乱したわ」
止まりかけたクラシックの演奏が、再び律儀な調べを耳に届ける。
高級生花店から、早朝に毎日届けられる大輪の花たち。
それを見て、私は心を落ち着かせる。
私はどこか苛立っていた。それというのも、
隣国の王子の見合いのXデーが迫ってきているためだった。
(私は政略結婚などしたくはないのに・・・)
この屋敷の地下にはルパンにだって破れない財物宝庫がある。
(そんな宝石なんかのために、私は身売りされるようなもの)
くだらない・・・あんなのただの石ころじゃないの。
なのに、お年頃だからといって、訳もわからず嫁がされるなんて。
(私はまだ、朝からの豚足だって余裕で消化できるくらい若いのよ)
そんな苛立ちが、執事の気遣いへの過剰反応として表れていた。
今日は私の嫁ぐ予定の隣国へ、見物に出かけることになっていた。
「馬車を下に待たせてありますので」
「分かっているわ・・・」
気のない返事しか出てこない。
先刻から豚足の一片が歯の隙間に挟まり、どうにも不快な気持ちであった。
(歯の隙間が増えた・・・私もトシということかしら)
と気づいたけれど、召し変えのドレスを目にしたとき、
暗い気持ちが少し払拭された。
夜空のようなゴシックドレスに花があしらわれている。
「今日の服飾デザイナーを呼んで頂戴」
私は少し弾んだ声で、手を2度打った。
私は僅かばかりのチップを取り出した。紙の束は1cmほどの厚みだ。(END)
上記は神戸異人館で撮影した写真(撮影OKのところ)です。
どれもこれも麗しすぎて、気分が高揚しっぱなしでした。
「こんな暮らしをしてたら、高飛車にもなるよね」
と思い、妙齢のお嬢様の創作話を書いてみました。意味不明。
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