「The Ash」~黒薔薇と炎の芸術がゴシックで退廃的! | Gothic Base
【タイトルは「The Ash」。退廃美を感じさせるモチーフ】
ワルシャワのクリエイティブチーム「Ars Thanea」が制作した、
燃え尽きてくすぶった黒いバラのモチーフ美術『The Ash』。
これぞまさに退廃美!命尽きる前の”最期のともしび感”がなんともゴシックです。
もともとバラそのものにゴシック要素があるけれど、
みずみずしい状態ではなく、灰になろうとしているシーンを切り取ったところが良いですね。
「退廃的」という言葉のニュアンスには、”耽美な死”という要素も含まれます。
死は、有機物であればなんであろうと当てはまるもので、
植物、動物、建築物などジャンルを問わない<この世の定め>です。
「退廃美」という言葉の中は、陽光だとか青空だとか健全な精神とか、
そういう明るいものを一切含みません。
どっちかというと、あの世を感じさせ、堕落して衰退した雰囲気の中に見出す芸術です。
その不健全さゆえに、敬遠されることも多い「退廃美」ですが、
世の中にはそこに美しさを見出す人も一定数存在します。
【万物は必ず衰え死ぬ。そこに仄暗い美しさがある】
人間もバラの花も、いつかはその原型を失い、死に向かいます。
その儚さの中に、ひそかな華やかさを見出す。それがゴシック美術だと私は思ってます。
<ゴシックな退廃美>というと、ヨーロッパの印象が強いですが、
日本でも古来、滅びゆく過程に美を見出す文献が多く存在していますよね。
「平家物語」冒頭などにも、散りゆくものへの美を垣間見ることができますし、
枯れゆくもの、古びたもの、すさんだものを愛好する日本人は少なくないはずです。
”死の予感”は、どこか甘美さを湛えるものです。
この灰になっていくバラにも、そんな麗しさを感じます。
ゴシックとは、決して地味なものではなく、意外にも華やかなテイストをはらむもの。
ヨーロッパでいうゴシック様式とは、
日本人でいう「ワビサビ」に華やかさをプラスしたようなものだと
勝手に解釈しているのですが、どうでしょうか。
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