読むと精神に異常をきたす本『ドグラマグラ』もう読んだ?
【日本三大奇書のひとつ・夢野久作の「ドグラ・マグラ」】
「…………ブウウ――――――ンンン――――――ンンンン………………。」
という印象的な擬音から始まる「ドグラ・マグラ」。
日本三大奇書(※諸説あり)の一冊とされ、読むと精神に異常をきたすと言われる
興味深い本です。こういう本は読んだことがないんですが、人にオススメされて購入。
で、読み終えて5年くらい経過しましたが、さて私は気が狂っているのかどうか笑。
”気が狂う”というのは自分自身では分からないものなので、
この本が私の脳髄にどれほど影響を与えたのか、確認しようもありませんが、
頭のネジ1本分くらいは狂わされたかもしれませんね笑☆
で、本にはこんなオビが(笑)。
こんなに煽られたらワクワクしちゃいませんか?
「気が狂うのかどうか、自分で実験してみようじゃないか」と意気込みたくなる。
そして、この妖しいゴシックな表紙絵、気になりますよね。
米倉 斉加年(よねくら まさかね)さんという画家&俳優さんによるもので、
なんとも淫猥な雰囲気が漂ってます。
私、この気が狂う本を買ったとき、年配の女性に「ぜひ読んでみたい」と言われたんですが、
この表紙のために、お貸しするのをためらってました。
すると結局、女性のほうから借りるのを辞退。
「読んで気が狂ったら困るから、やっぱり止すわ」とのことでした。
今は電子書籍でも買えますし、なんと青空文庫(著作権切れの無料図書HP)でも
読むことができます。⇒【青空文庫】(http://www.aozora.gr.jp/)
【けっきょくドグラマグラって何なのか?気が狂うのか?】
まず気になるタイトル「ドグラ・マグラ」ですが、
これは九州地方の方言であり、
「堂廻目眩(どうめぐり・めくらみ)」「戸惑面喰(とまどい・めんくらい)」が
訛ったものである、とされています。意味は諸説ありますが、
<トグロを巻くようにごちゃごちゃに絡み合った>という感じが近いかも?
(ドグラマグラの語感も「トグロを巻く」に似てますね)
また<トリック・手品>という意味もあるそうです。
実際に本の中身もそんな感じで複雑怪奇すぎる。
明治・大正ロマンを思わせる作風で、和ゴス要素が多々あります。
大雑把なあらすじは、
記憶喪失の青年・呉一郎が、記憶喪失の間に執筆したと思われる
「ドグラ・マグラ」という小説や資料などをもとに、
過去の記憶について考察する、というもの。
つまり、この「ドグラマグラ」の本の中に、
もう1冊「ドグラマグラ」という本が登場するわけです。
この2冊が同一であるかどうか、というあたりで物語がややこしくなります。
呉一郎の記憶を取り戻す手引きをする人物が「正木博士」なんですが、
この博士が読者&呉一郎を会話で翻弄してくるんですね。
思わせぶりな会話で呉一郎の記憶を取り戻そうとしますが、
呉一郎は余計に混乱に陥っていく・・・。
文章は古風で固い感じというか、時代を感じさせます。
擬音が独特だし、ところどころカタカナになっていて、ストーリーにも惑わされ、
読み進めていくうちに奇妙な気分になっていきます。
この<奇妙な気分=気が狂う>ということなのかなぁ?そして、
ハッキリした結末というものがありません。
無限ループみたいなストーリーなので、たしかに感想は
「翻弄され続けて、一体なんだったんだろうこの本は」となります。
で、いろいろ細部を解明したくなるんだけど、考えても答えが出ない(笑)。
私は5年前に読んだ直後は、「結末はこうなんじゃないかな?」という手ごたえがあった。
なのに今は結末どころか、すでにストーリーそのものをぼんやりとしか思い出せない。
本にだまされ、手のひらで転がされた感覚だけが残るんです。
なんとも不思議な読後感。戸惑います。
まだ読んでおられない方はぜひ^^同じ感覚を味わって頂きたいです。
でも、この本を読んだ誰とも、感想を言い合えないのがもどかしい。
この本の奇妙さ・面白さはそこでもあります。
オススメしてくれた人から、「読んだ?面白かったでしょ」と言われたんですが、
「うん、すっごく面白かった、でも・・・」と感想に詰まりました。
ワクワクしつつ読めるんだけど、感想に至らない(笑)。
夢野久作(ゆめのきゅうさく)という作者の方(2014年に亡くなられました)は、
奇をてらった物語だけでなく、国語の教科書に載るようなお話も書いておられます。
「大人になれなかった弟たちに・・・。」という、
涙なくして語れないお話の作者さんでもあります。多才な方ですね。
そんな多才な夢野久作さんの渾身の奇書「ドグラ・マグラ」。
自身の気を狂わせてみたい方はぜひ( ´艸`)
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