映画「ドラキュラ」観た感想~「私、ドラキュラ知識間違ってた」 | Gothic Base
【ドラキュラって吸血鬼の血族だと長年思い込んでた】
ドラキュラ伯爵。アニメなんかでそのキャラクターが一人歩きして、
真実の姿は意外に知らなかったりしませんか?
私もなんとなくドラキュラ伯爵って、脈々と続く血族がいて、
その子孫がこっそり人間界に溶け込んで、美女の血を吸ってるイメージだったんですよ。
ひっそりと生きてて、人々から忌み嫌われてて・・・みたいな印象。
でも、ドラキュラ伯爵って、
もともとは戦争で無敗の残虐な王様だったんですね。
ぜんぜん知らなかった。戦争で殺した敵を槍で串刺しにして地面に突き立てたことから
悪魔の王様みたいな呼ばれ方で恐れられていたんだそう。
権力者だったとは知りませんでしたよ。表舞台に出てた人物だとは思いもよらず。
私の想像していた女好き&ジェントルなイメージではなく、
もともとは横暴ながらも1人の女性を深く愛する繊細な王様だったのです。
で、この映画でドラキュラを演じるのが、かの「ゲイリー・オールドマン」、
そして王妃の役は「ウィノナ・ライダー」。←めちゃくちゃ懐かしい!
ウィノナライダー、めちゃくちゃ美しいですね。
さいきん映画で見かけなくなりましたが、ほんとに麗しい。目の保養級です。
この映画「ドラキュラ」は、ブラム・ストーカーという作家さんの原作を下敷きに、
あのソフィア・コッポラ監督が製作したもの。
ソフィア・コッポラ監督といえば、ハチャメチャな映画「パルプ・フィクション」ですが、
「こんな映画も撮ってたんだ・・・!」ってその多才っぷりにビックリ。
映画のタイプが真逆なもので、最初は信じられませんでした。
【ドラキュラ伯爵っていろんなイメージが後付けされている】
美女の血を好み、苦手なものはニンニク、十字架、銀・・・。
そんなイメージが定着しているドラキュラ伯爵。
ドラキュラ伯爵をモチーフにした芸術作品っていっぱい作られてて、
それぞれに印象が違います。
でも、このソフィア・コッポラ監督の映画を観て、イメージが180度変わってしまった。
なんだか可哀想です、ドラキュラって。
最愛の王妃の死に耐えられず、悪魔に永遠の命を授けられてしまったのです。
そんな設定があったとは知りもしませんでした。
ドラキュラって血も涙もなさそうな感じなんですが、
じつは誰よりも情が深く、それゆえに愛する妻を失った悲しみは計り知れず、
天を恨み、現代に妻の生まれ変わりを捜すようになってしまったんですね。
もう魔力を手にしたドラキュラ伯爵は、冷血漢みたいになっちゃうんですけど、
それ以前、人間であったころは、残虐さはあったにしろ、
ちゃんと愛情を持った真人間だったんですね。
1992年の映画ですが、衣装や芸術が素晴らしく、それだけで見蕩れてしまいました。
まったく古さを感じさせない、ゴシックな麗しの映画。
ホラーというよりも、男女の愛を描いているような気がしました。
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